任天堂の提携先としてLINEは不適切である2つの理由

任天堂の提携先であるLINE株式会社に、ヘイト企業疑惑が浮上していることが、ネットで話題になっている。
LINEと言えば日本ではすっかりインフラの1つと化したコミュケーションツールとしてのLINEが有名だが、企業としてのLINE株式会社は何もチャットだけではない。
かつてホリエモンが持っていたlivedoorのブランドを継承し、ライブドアブログのサービスを提供。まとめサイトとして有名なネイバーもまた、LINEが提供していたサービスの1つであった(現在はNHNが運営している)。
LINEは日本で強くなったため、日本企業としてのイメージを持っている人が多いかもしれないが、基本的には韓国企業である(敢えて”基本的に”と付けた理由は後述する)。
そんなLINEになぜヘイト企業疑惑が浮上しているのか。
答えは嫌韓ブログや掲示板の多くが、livedoorブログを通して配信されていたからだ。
有名どころを言えば、保守速報。今は何でやってるかわからないが (恐らくWordPressであろう)、嫌韓ブログを始めとするヘイトブログは、大別してlivedoorとFc2が主要な媒体となっている。
どうしてそうなるのかと言えば理由は簡単で、livedoorブログとFc2にはまとめサイト向けのテンプレートが存在するからだ。
ブログサービスを使えば全く専門知識が無くても、まとめブログは簡単に作れてしまう。しかもアメーバブログとは異なり、livedoorとFc2はアフィリエイトも可能である。更にRSSフォードの機能や他ブログやまとめサイトからリンクを取ってくるような仕組みもあるから、livedoorブログやFc2を用いたまとめサイトは大量に作られた。その中にヘイトブログも多分に入っていたのである。
そんなLINEが任天堂の提携先であった事に、衝撃を受けたものである。

ヘイト企業(疑惑)にして政商

私はLINEが任天堂の提携先として相応しくないと考える要素は次の2つである。
(1)自身の運営するサービスでヘイトブログを放置していること
(2)マイナンバー連携をしようとしたこと
ヘイト企業とネットで言われるLINEだが、もちろんLINE株式会社が積極的にヘイトを行なっているような事実はない。
しかし、かつて保守速報がlivedoorブログで運営され、保守速報が莫大な収益を上げていると同時に、LINEもまた、収益を上げていたのだ。
2015年からlivedoorブログは完全に無料で提供されるようになっている。
それまでは私も有料プランに入っていた。有料プランを撤廃してlivedoorブログは収益が上がるのか。

その回答がこの通りで、完全に無料にしてもLINE株式会社としては、収益が成り立つということだ。
これはなぜかと言えば、恐らくスマホテンプレートであろう。
livedoorブログでアフィリエイトしようとした場合、スマホテンプレートにはヘッダーとフッターに、livedoorブログ自身の広告が出る。
これがlivedoorブログにおけるLINE株式会社の収益源であり、アクセス数を集めるブログがたくさんあればあるほど、LINE株式会社には収益が還元される。
とりわけ愛国ブログや嫌特アのお題目を掲げたブログはアクセスが集まりやすい。
当時は有料プランの存続を望んだブロガーも多かったのだが、結局は下手な有料ブロガーよりも、右翼ブログでアクセス集めての広告収入の方が儲かったのだろうか。

次に、LINEという企業の政商化だ。
マイナンバー連携の話は高市総務相をたいそう喜ばせた。
勿論この事態に私は危惧の念を持っている。LINEのマイナンバー連携に関しては、政府も歓迎の方針なのだ。
私達には通信の秘密があり、それは絶対に守られなければいけない権利なのだが(だから通信事業者は通信の秘密を犯した時の罰則が大きいのであるが)、マイナンバー連携は相手が国家に限り、通信の秘密は守られなくても良いという展開に持っていかれそうなことを危惧している。

ネット掲示板で引用されていた任天堂の人権方針には、次のようなものがあった。

1.位置づけ
任天堂は、国連の「国際人権章典」および「ビジネスと人権に関する指導原則」ならびに国際労働機関(ILO)の
「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」といった人権に関する国際規範や国際基準を支持し、
それらをもとに、任天堂人権
方針を定めます。
また本方針は、任天堂の経営ビジョン、行動規範に基づいて、人権尊重の取り組みを表明するものです。 

3.人権尊重に対する責任
本方針は、任天堂株式会社 取締役会にて承認されています。
人権に関する対応は、全社的なコンプライアンス推進体制の中に組み込まれています。 

6. 人権デューデリジェンス
任天堂は、人権デューデリジェンスの進めかたを検討するため、外部専門家の意見を踏まえ、グローバルに協議を進めていきます。
人権リスクの特定・評価や優先課題への対応を行う過程で、任天堂が事業活動において人権へ負の影響を与えていることが判明した場合、
またはそのような活動に関与したことが明らかになった場合、是正に向けて適切な処置を講じます。

果たして提携先であるLINEは任天堂の人権方針に即した企業であろうか?
livedoorブログに投稿される記事は人権を侵害するような記事が多く投稿され、それらは放置されている。
LINEのマイナンバー連携はいかがだろう。少なくとも将来的に渡り、通信の秘密を侵されるようなことを危惧している。
韓国企業でありながら嫌韓ブログの広告収入で利益を得ていることは否めない。それがLINEという会社なのだ。
だからこそ、LINEは任天堂の提携先としては不適切ではないかと思うものである。

Script logo