異国ルーツに対する不寛容さと純血主義

外国籍であることで、タクシーの運転手から酷い扱いを受けた女性のツイートが話題になっている。
これから東京オリンピックを開催し、入管法改正で外国人労働者をたくさん受け入れるであろう日本・・・それも東京で起きていることにツイッターでの反応は騒然としている。

Kyla Ryan氏は両親がアメリカ人だが、日本生まれで津軽三味線を特技としており、日本語も全く遜色はない。
そんなKyla Ryan氏が外国人の見た目であると言うだけで搭乗を拒否されるとか、母親は1万円札を受け付けてもらえなかったというのは、あまりにも不当な扱いであろう。
彼女のツイートには多くのリプライがついているが、彼女のツイートに否定的なリプライを出したアカウントに対し、cracはこう指摘している。

タクシーでの搭乗を拒否された経験を持つKyla Ryan氏であるが、氏がバズフィードに寄せた記事では、不動産を借りる際にも「外国籍である」というだけで借りれる家を見つけるのに苦労した過去も持つ。
また、国籍が日本でも許されないケースがあり、英国人と日本人の混血のようなケースでもダメなときは結構ダメらしい。
日本で生まれ育ったものなら多くの人がわかっていると思うが、日本で生活する上では、ちょっとしたことで人生の詰みポイントになる要素が多い。
中でも住宅と仕事に関することは卵が先か鶏が先かと言わんばかりの関係で、仕事が無いと家を借りれない⇨現住所がないと仕事に就けない⇨仕事が無いから家を借りれない⇨家を借りれないから仕事を持てない・・・と、言うことで人生を詰む。

かつての日本で前沖縄県知事の翁長は、法政大学時代、東京でのアパート探しに「琉球人お断り」を体験している。
一時期はなりを潜めていたと思われたレイシズムだが、日本経済の低迷と共に再興してきた。
在日韓国人を筆頭に沖縄、アイヌへと差別が再開されており、ネットでよく目にするほど日本人は寛容ではなくなっていると思っている。
いや、尤も、仕事のミスに対する厳しさは日本が他一倍厳しいともよく聞いており、我々が自分達で思っている以上に日本人は寛容ではなかったのかもしれない。
日本人ですら日本での生活は思わぬところで詰みポイントが発生するのだが、日本で外国籍を持って生まれたマイノリティーは、そうした壁が更に大きなものになる。
例えば京都市は「世界文化自由都市宣言」というものをしており、東京よりもダイバーシティは先である。
先の差別的扱いも多くのヘイトデモも、東京で起こるものだ。
そう考えた時、まだまだ東京にはダイバーシティなどというものが、根付いていないものだと思わされるのであった。

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