大量に廃棄される恵方巻き-まず生産制限をするべきだ

netgeekで「恵方巻きが売れなかったらお前買え」と言われたコンビニアルバイトの話が記事になっていた。
毎年2月3日になると、コンビニとスーパーの惣菜コーナーの一角が、恵方巻きでごった返す。
その恵方巻きは毎年のように廃棄される写真を見ることになり、とてもこの国が食料自給率30%の国とは思えん気合いっぷりである。
私が中学高校時代の公民では、日本の食料は7割を輸入に頼っていると習っている。
さらに大学の授業で環境学の講座を受けると、日本の食料輸入の量は世界の食料物価を1割底上げしているのだそうだ。
「愛される日本どころか食い物の恨みが恐ろしい」
とは、その講義をした先生のテキストに書いてある。
そんな日本で毎年話題になる3大廃棄食物の1つが恵方巻き。戦後日本に伝わる悪しき風習である。

朝日新聞の取材によれば、2019年における恵方巻きの廃棄量は一応減っているとのニュースが出ている。一方で食品ロス問題ジャーナリストである井手氏の記事では、2018年から減っていないという結果が出ている。
恐らく実態としては後者であろう。
日本で廃棄されると話題になりやすい3大食物の1つの恵方巻き。通常の食品との違いは、特定の時期にだけ出回り、必要以上に作って廃棄されるということだ。
そして、恵方巻きはもともと東日本では食べる習慣が無かったこともあり、購入する人は少ない。作れば作るほど売れ残り、加えて生産途中で出たNG品もまた、大量に廃棄される。
大量に廃棄される恵方巻きだが、この恵方巻きを作らされるのに大量の残業時間をさせられる工場労働者もいるようで、全く意味がわからない事態である。

社員に買わせるのではなく生産を止めさせるべきである

工場で大量生産される恵方巻きは、確実に捌ききることは不可能だ。
現在の企業にはCSRというものが厳しく問われていると思うのだが、恵方巻きの廃棄はCSRに問われるものにはならないのだろうか?
CSRとは、一言で言えば企業の社会的責任のことだ。
「企業は利益ばっか追求してないで主体的に社会に貢献して行きなさい」というのがCSRの考え方と言える。
こうした企業の社会的責任に照らし合わせると、食品を扱う小売店は大量に廃棄される恵方巻きや土用の鰻といった問題からは、目を背けることができないだろう。
それとも恵方巻きや土用の鰻はCSRの枠から外れてしまうのであろうか?
毎年大量に作って廃棄が出るなら、小売店のオーナー、経営者は社員に恵方巻きを買わせるのではなく、供給を減らさせるべきであろう。
日本は食料の7割を輸入に頼っている。
しかし、食料の輸出は「自国で余る状況があるから日本に輸出出来る」ので、食料輸出国側で余りが出ない状況になってくれば、売ってはくれなくなる。
まして自分達が汗水垂らして作った作物が、異国の地(日本)で廃棄されているとなったら、今後取引をしたくはなくなるのではないか。
CSRが叫ばれる時代、恵方巻きが捨てられていく光景が放置されるのはよろしくはなかろう。
各企業は毎年廃棄される恵方巻きや土用の鰻、クリスマスケーキの統計を取り、是非公表して欲しいと願うものである。

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