低賃金だけが問題では無い:相次ぐコンビニや外食店の事故の正体とは?

ファミマ、くら寿司、バーミヤン。
ここのところ小売店や飲食店で悪ふざけが原因で炎上する事件が続いている。
悪ふざけによる事故はブロンコビリー冷蔵庫事件やマクドナルドの異物混入事件など、不定期的に聞く気がしているが、2019年はかなり話題になる回数が多い。
どうしてか皆、動画やSNSにアップすると言う無防備さがあるのだが、一体何故こうした事態が続くのか。そして再発防止の策は無いのか探ってみたい。

低賃金故の造反なのか?

これらの事件に関し、藤田孝典氏を筆頭に労働者が低賃金で働いているからと言う声が多い。
なるほど、小売業や外食産業の低賃金は深刻な問題である。
藤田孝典氏がWEB記事で示している通り、問題が起こった産業は最低賃金ギリギリのラインで働かされており、従業員の不満は大きいかもしれない。
だが、本当に低賃金故の造反なのかと言えば、疑問は残る。
低賃金と言う観点で見れば、若者でかつ小売業、外食産業に集中する理由はない。極論ながら、清掃業でオバちゃんが職務放棄連発したっておかしくは無いのだ(話題にならないだけであるかもしれないが)。
では本当の問題は何だろう。私は教育の問題ではないかと考えている。

賃金ではなくシフトが問題

小売業や外食産業で羽目外し事件が起こる理由は、シフトにある。
そう。店長はじめ、社員の過重労働によって、教育が行き届かないのが本当の問題ではなかろうか。
飲食店や小売店のアルバイトは、高校生でも応募出来る店舗が多い。
まだまだ遊びたい盛りの年齢であるし、世間の掟と言うのも、まだ身には染みていない年代とも言える。
これが20代中盤になってだんだん世間の掟(+息苦しさ)を感じられる様になり、少しずつ貫禄を帯びていく。

ファミレスに行くとよくよく気になるのが、店長の出勤率だ。
「あれ、この人いつもいるんじゃない?」と。
訪問時間を変えてもいるし、まるで365日毎日出勤させられているのではないかと疑念を抱く。

実際に30連勤と言ったことも当たり前のようにあるわけで、当然ながらこれではアルバイトの教育など行き届くわけがない。
コールセンターの受信業務は商材にもよるが、概ね1〜3ヶ月間は研修がある。この1日目で”社会人のイロハのイ”を学ばされ、その後で座学やOJTに入ることが多かった。
だが、人員がカツカツな小売店や飲食店では、満足な研修は受けられないだろう。
そのため、例えば”タバコを吸いながら調理をする”と言うことが”どれだけの社会的影響を与えるか”と言うことがイメージできないまま、現場に出るようになってしまうわけだ。

解決策は営業時間短縮や休日設定/店舗削減

思うに、こうした羽目外し事件を削減するに当たっては、店舗数を減らすか、営業時間を短縮し、休日を設定して行くしかない。
セブンイレブンの名前の由来はご存知かと思うが、当初は7時から夜11時までの営業だった。
それが24時間となり、コンビニは右へ倣えで24時間。近年ではスーパーまで24時間店舗がある。
ファミレスの営業時間も深夜1時や2時が多く、いささか働かせ過ぎなのではないか。
外食店やコンビニではフランチャイズ営業がメインだろうから、店舗数を減らすのは難しいかもしれない。
ただ、根本的な解決には人員を減らさずに営業時間と休業日を設定し、出来た余裕で教育に充てるしかないだろう。
低賃金以上に深刻なのは、働かせ過ぎであると言うこと。
その為には消費者の意識改革も必要であり、労働者がキチンと週休2日を取れるようになって、はじめて次のステップへ行ける気がしている。
果たしてそれはいつになるのだろうか。

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