韓国観光客を歓迎した道職員に対するクレームに武井議員が危惧1️⃣

私は自民党を支持していないし、政策に対する考え方に関しては武井俊輔議員には賛同していないが(アベノミクスを評価する立場に彼は立っている)、一方で人権に関する考え方は、自民党議員の中でも際立って高い。もちろん政治に詳しい人からはガス抜き要因と考えられている武井議員であるが、人権に関する考え方については恐らく本心であろう。あいちトリエンナーレでも開催者側を比較的尊重していたし、表現の自由というものがどういうものであるのかをよく知っていた。
皮肉にも「表現の自由」をイシューにして当選した山田太郎議員よりも、それをイシューにしていない武井俊輔議員の方が、遥かに表現の自由の本質を理解していたのである。

さて、日韓関係は過去にないほど冷え切っている。というより、こうして冷え切ることを望んでいる方々が日本人にいらっしゃるわけで、そうした人は「韓国は反日であって欲しい!」という想いが強い。
しかし国同士が仲悪くなると煽りを受ける人もいるわけで、最近では「国同士が仲悪くても民間は繋がろう!」という動きも両国間で起きている。
実際、杉田水脈議員らが「今日韓国行くと危険だから行かないで!」と言っていた8月15日に、韓国にいた相互フォローの人がいた。その現場はどうだったのかと言えば、いつも通りの日常であり、普通に着ぐるみの売り子が握手してくれたというのだから、現実問題としては日本国内で韓国が反日であることを喜んでいる人たちが少なくないわけである。
そんな中、北海道は観光収入の決して少なくない割合を韓国からの観光客に頼っている。財政も逼迫した自治体が多い故に「国同士の関係が悪いからこそ安心して来てもらえるようなおもてなしをしなくちゃ!」という懸命な思いで韓国人観光客への特別なおもてなしをしたわけだ。
そこに大ッヒンシュクが飛ぶのが日本の常。「日本を愛する普通の日本人」達がお怒りの中、自民党の中から危惧の声を発したのが、武井俊輔議員であった。

武井議員は宮崎県で生まれ育ち、宮崎県議を経て衆議院議員になっている。だからこそ地域の実情というのはよく見えているのかもしれない。
彼のプロフィールは宮崎県で生まれ育ち、大学卒業後の初就職を宮崎県でし、院卒してから楽天で実務経験を積んだあと、再び宮崎県に帰っているというようなもの。
即ち武井議員の原点は郷土愛にあるのであろう。それが政治家としての活動の原点になっていると考えられる。だが、武井議員に寄せられるリプライはかなり辛辣だ。

再度言うと、生まれ育ちも宮崎で、大学・大学院と楽天時代以外は宮崎で過ごしているのだから、宮崎県の実情をよく知っていると見て良い。
宮崎県の実情を知っているからこそ他の地方の実情もイメージできると見て良く、その後も懸命観光客を大切にもてなす大事さをツイートしている。

アベノミクスを評価する立ち位置とはいえ、自民党にいながらこうした空気の危なさに警笛を鳴らせるというのもまた、立派な議員ではある。
いったい何故「日本を愛する普通の日本人」達は武井議員にクレーマーの如く罵詈雑言を浴びせるのか。そこには『地域愛』というものが無いからだ。武井議員の原点には地域愛があることが見て取れる。地域愛は横文字でパトリオティズムとも言われているが、思想の左右以前の問題として、地域愛は政治を考える上で重要な意味合いを持つ。
北海道において韓国人観光客への歓待が行われたことに際し、クレームをつけるアカウントが多かったが、その中で「俺ら日本人で北海道で金使って来ようぜ!」と盛り立てるような者は、一人として見られなかった。それだけ当事者意識が無いということの現れでもある。
当事者意識がない者たちが断韓を煽るだけ煽って産業が細っていく。そうした未来を武井議員は見たくないのであろう。そして次はジャーナリストの有本香氏にも苦慮することになる。

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