SESは違法なことをしているのに裁かれないことは日本が法治国家ではないことを示している1️⃣

自由な働き方を「目的」にしてはいけない

世の中にはどうしても会社社会に適応できない人間と言うのは出るものである。そうした人達が「自由な働き方(不労所得)」を求めてアフィリエイトをやるようになり、或いはそうした人向けに「せどり塾」だの「アフィリエイト塾」だのと言った高額塾が相次いでいた。
しかし「せどらー(転売屋)」であるとか「アフィリエイター」というものがある種の軽蔑の眼差しが向けられるようになると、次はITエンジニアの不足の影響も相まってプログラミングスクールが取って代わるようになった。
「ITエンジニアになって自由な働き方を実現しよう!!」
そう思う人達がプログラミングスクールの門を叩き、エンジニアの世界に参入する。しかし、これだけは言っておきたい。

自由な働き方を「目的地にした」エンジニア転身は止めた方が良い。
アフィリエイト塾でもそうであったが、本当に「束縛されぬ自由」を手に出来るのはほんの一握りだけだ。残念ながらフリーのITエンジニアもどこかに常駐して仕事する働き方が多いとは言っておこう。

SESが不正の温床に…

IT業界では以前からソフトハウスと呼ばれる企業がシステムの開発を行っていた。やっていることは今と大きく変わらず(開発環境は大きく変わっているが)、エンジニアを客先に常駐させて仕事するのが基本だったようである。いつしか彼らはSES(システムエンジニアリングサービス)と呼ばれるようになり、今や「IT企業」と呼ばれる企業の中では最も会社数が多い勢力と言って良いだろう。

SESは発注会社とは準委任契約という方式で、基本的には委託元企業は委託先に対して仕事のやり方を指示出来ないようになっている。
実態としては元請けや二次請け会社が三次請け以下の企業に作業の指図をしていることが多いため、実態には合っていないと言えるだろう。ほぼ偽装請負が行われている状況に等しい。
尤も、中には初めから派遣契約を元請と結んでいる場合もあり、その場合に至っては合法ではあるのだが…。

経歴詐称は当たり前…それは詐欺では無いのか?

SESに入るとよく行われることの一つが、客先に対する経歴詐称である。
どう言うことかと言えば、大抵の場合、SESに入社する(または入社前)は発注元にあたるSIerとの面接がある。
この面接の際に「スキルシート」というものをSESは作成するのだが、スキルシートは虚偽のもので作成されることが殆どである(ただし客先の求める経歴を最初から持っていると判断された時はこの限りではない)。

思うに、本来ならこのスキルシート虚偽作成は詐欺罪が成立して然るべきであると思うのだが、1つ1つの事案は軽微なものであるため、立件されにくいという事情があるようである。
もっと言うと、詐称するのはエンジニアの経歴だけではないぞ。言語の歴史まで歪めることがあるから嘆かわしい…。

渋谷のITエンジニア勉強会に参加した時に「Swift経験5年」と言われて売り飛ばされたエンジニアがいた。
この時、2018年。なお言語としてのSwiftが生まれたのは2014年である。
言語としての歴史が4年しかないのに、どうやって5年経験を積むのであろうか。
「Swiftに関わる前はObjective-Cで開発していた」と言うのならわかるのであるが…。

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