4630万円を誤振込した阿武町-おかしく解せぬ業務フロー⓶

人員削減の果てに崩れる運用フロー

阿武町4630万円誤送金事件でわかることは2つある。

⓵人員削減より本来の手続に則ったフローが行われていないこと
⓶内部統制が行き届いていないことにより不正を行いやすいこと

阿武町は人員削減を行なったことで、出納業務に必要な人員を回せていないと言うことがわかっている。
今回の業務を担当したのは新人であり、全く業務についてわかっていないと言うことである。

次に「今回の事件は当の役所内部の人間も関与している組織犯罪の可能性がある」と言う声が聞かれたのだが、この場合でも役場に責任があることは変わらない。
何故なら、役場には内部統制機能が働いていなかったからである。

今回の事件が発生した裏には、新人と課長だけを配置していたが、本来なら間にベテランを配置していれば防げたのでは無いかと町議員は証言していた。
本来必要のない振込依頼書を何故か提出していると言うこともあり、3人で確認すべき内容を実質1人で行われたであろうと言う、定められたフローから逸脱した運用が行われていたわけである。
この状態であれば、不正を行うことも容易であり、内部統制には大きな問題があったと言わざるを得ない。

誤送金した金を返して貰えると思う見込みの甘さ

4630万円の使い道について花田町長は「許せない」などと発したが、そもそも使われぬ想定でいたとすれば甘い見込みである。
ダン•ケネディの[世界一シビアな社長力養成講座]をぜひ読んで欲しい。
「世の中に善良な人間は5%しかいない」と書いている。

今回のケースで当てはめれば、4620万円誤送金受けた人間は95%の確率で返さないと見るのが正解なのだ。
たった5%の確率に賭けるなど、愚かである。
そもそも誤送金された金が使い込まれたと言うのは、ただの結果でしかない。起こった結果に対していくら怒ったところで無意味である。

マネジメントを仕組み化して対処せよ

阿武町の誤送金事件は起こるべくして起きた事件に過ぎない。
尤も、人口の少ない阿武町に於いて、現職の町長は長期的な無投票当選によってトップに君臨している。
人口規模から鑑みても副町長を置くようなことは考え難く、今後も花田町長の町政が続くのではないかと思われる。

都会と異なり、小規模自治体でマネジメントを学んだ人間がトップに就かないことは仕方ない側面はあろう。
一定規模の自治体では市長とは別に副市長がいるケースが多いが、市長がリーダーシップを発揮し、副市長がマネジメントを担当するなど、領域を棲み分けている場合も多い。

実際問題として、マネジメントとリーダーシップを1人で担当するのは厳しかろう。
ならば、マネジメントは仕組み化によって解決を計っていくべきである。

「善意は役に立たない。働くのは仕組みだ」

アマゾンは好かないが、ジェフ・ベゾスの言うことは正論である。
同様の過ちを繰り返さぬためには、マネジメントは仕組み化によって解決をしていく他ない。
全ては仕組みによって動くのである。

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