くら寿司のその後を見ればわかる:日本人は自分達の人権にも関心が無い⓵

くら寿司店長の犠牲も空しく…

今年(2022年)はアニサキスが猛威を振るっているが、思うに回転ずしを100円で食べられるのは有難く思うべきか、それとも以上に思うべきかは難しいところである。
私達は当たり前のように寿司を楽しんでいるが、魚には必ず回虫が付き物であり、サバはアニサキスやシュードテラノーバの検出が多い種類である。アニサキスに当たる人が多くなったのは、近年はレシピサイトも充実しているから、釣りを嗜む人間が無知のまま鯖を生で食べてしまうことは勿論、あり得るところである。

アニサキスを除去するにはアニサキスライトを使うが、シュードテラノーバはアニサキスライトに反応しないので、目視で除去することになるようだが、寿司というのはそうした地道な努力があって出されているものである。
流石に寿司ネタにされることはないが、タラなど本当にアニサキスが多くて、除去するのはウンザリしてくる。
安全に寿司を食うために多大な努力をしてくれている寿司屋だが、くら寿司で店長のあまりな末路を前にして『あぶりチーズポークカレー』の宣伝を公式がツイートしているのであるから、なかなかのサイコパスである。

だが、そんな店長の犠牲も空しく、くら寿司の株価は下がることはなかった。
つまるところ、そうした労働者の犠牲があったところで、消費者にとってはどこ吹く風なのである。

男性がいくら犠牲になっても世間は見向きもせず

些か不謹慎であるが、ワタミにしろ電通にしろ、これは20代の女性が犠牲になり、かつ亡くなった人が実名で報道されたという条件が加わったことで、世間の騒ぎは大きくなった面がある。
逆に言うと、男性は幾ら過労で亡くなろうが見向きもされない。
例えば東京オリンピック。
新国立競技場建設に於いて、1人の現場監督が若くして命を絶っているが、そんなことは2020年になる頃には殆ど皆忘れていたというものがある。これは「東京五輪に反対していた人間さえも」である。
くら寿司も同様だ。男性店長が犠牲になったが、それは75日も経てば、多くの消費者は綺麗サッパリ忘れているのだ。
そのため、今日も「今まで通りに」”炙りサーモン”や"炙りチーズ"のネタが食されている。
まるで最初から「命を絶った店長など存在していなかった」かのように…。

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